第12回 筑波大学 RCMS サロン 「同期現象の数理とその応用」
筑波大学数理科学研究コア (RCMS) では,分野横断的な研究交流の一助となることを目指し,互いの研究分野の相互理解を推進する場として「RCMS サロン」を開催しています.
今回のRCMSサロンは「同期現象」をとしまして,カエルの鳴き声の同期現象,リザバー計算における同期現象の応用,再帰と同期,など同期現象に広く関わる話題についての講演を企画しています.
要項
日時:2023年12月14日(木)15:00~18:00 (Tea Time を含む)
開催方法:対面/オンラインのハイブリッド形式
場所:筑波大学自然系学系棟D509セミナー室/Zoom meeting
オンライン参加申込登録: 申込登録フォーム:12月11日(月)まで受付
備考:Zoomへのアクセス手順はRCMSサロンの数日前に登録者へお送り致します.
プログラム
★ 15:00 -- 15:45 平山 至大(筑波大学 数理物質系)
タイトル:再帰時間の同期現象とその加法的組合わせ論への応用
概要:力学系・エルゴード理論における基本的な性質の一つに再帰性があります.本講演ではまず,この再帰性に,ある種の同期現象が観察されることを紹介します.後半では,その(意外な)応用として,等差数列に関する話題を紹介します.
★ 16:00 -- 16:45 合原 一究(筑波大学 システム情報系)
タイトル:ニホンアマガエルの同期発声行動に関する実験的・数理的研究
概要:ニホンアマガエルのオスは繁殖期になるとメスを呼ぶために鳴き声を発する.その鳴き声は強い周期性を有しており,かつ個体同士は音を介して影響を及ぼし合う.このようなリズムと相互作用は,複数個体で構成されるシステムにおいて,ある種の同期現象を引き起こすこととなる.本講演では,室内実験と野外調査で観測したニホンアマガエルの同期現象を説明したうえで,そのメカニズムを位相振動子モデルに基づいて調べた数理研究を紹介する.
★ 17:00 -- 17:45 常木 澄人(産業技術総合研究所・新原理コンピューティング研究センター)
タイトル:スピントルク発振素子における同期とその応用
概要:スピントルク発振素子はナノサイズの強磁性体の自励発振を利用した非線形振動子です.他の非線形振動子と同様に様々な同期現象が確認されることから,ダイナミクスに関する学術的な研究が進められてきました.近年では,デバイスが非常に小型であり,比較的省電力性に優れることなどから,物理リザバー計算などの応用化研究も盛んに行われています.本講演では,デバイスの基礎的な特性や応用化研究に関する研究について紹介します.
★ 17:45 -- 18:00 Tea Time
お問い合わせ先
世話人: 川村 一宏,永野 幸一,平山 至大(筑波大学 数理物質系)
E-mail:rcms-salon at math.tsukuba.ac.jp ("at" を @ に置き換えてください)
謝辞
今回のRCMSサロンは科研費基盤研究(C)(一般)20K03577「バナッハ環・関数空間の代数・幾何と幾何学的トポロジー」(研究代表者: 川村 一宏)の支援を受けています.