第8回 筑波大学 RCMS サロン 「ウェーブレットフレームとその応用」

筑波大学数理科学研究コア (RCMS) では、分野横断的な研究交流の一助となることを目指し、互いの研究分野の相互理解を推進する場として「RCMS サロン」を開催しています。

今回は「ウェーブレットフレームとその応用」というテーマで3名の講師の方々に講演していただきます。

要項

日時:2021年12月2日(木)15:15 ~ 17:15

場所:オンライン(Zoomを使用)

参加申込:登録ページ(Googleフォームを使用)ご登録は11月30日までにお願いします。

共催:九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(文部科学省委託事業「数学アドバンストイノベーションプラットフォーム (AIMaP)」受託機関)

プログラム

★ 15:15 -- 15:45    木下 保(筑波大学 数理物質系)

タイトル:「ウェーブレットフレーム」

概要:正規直交基底は冗長性がなく理想的であるが,それを構成するには強い条件が必要となる.そこで近年脚光を浴びているのは,冗長性がありながらも弱い条件で構成しやすいフレームの理論である.まずは有限次元の場合の簡単なフレームから紹介し,無限次元の場合としては拡大縮小と平行移動のパラメータからなるウェーブレットの形をしたウェーブレットフレームについて解説をしていきたい.

★ 16:00 -- 16:30    藤井 克哉(筑波大学 システム情報系)

タイトル:「不完全投影データからの新たなCT画像再構成について」

概要:被写体に X 線を照射させた際に得られる投影データは,数学ではラドン変換と呼ばれる積分作用素の像としてよく知られている.CT 画像再構成とは,ラドン変換の再生公式を構成することに他ならないが,近年,医学的な観点から欠損のある投影データ(つまりラドン変換の像の部分集合)からの再構成法が注目されている.その際に,再構成の解の一意性や安定性が理論,応用ともに重要となる.本講演では,ウェーブレット変換などのスパーシファイ変換を用いる圧縮センシング等を用いた不完全投影逆問題解法を提案し,議論したい.

★ 16:45 -- 17:15    芦野 隆一(大阪教育大学)

タイトル:「四元数値空間の時間周波数解析」

概要:三次元空間における平行移動や回転の一連の操作は,四元数で高速で計算することができる.そのため,四元数は 3D グラフィクスやアニメーション,さらにコンピュータビジョン,航空機のナビゲーションなどに応用されている.また,カラー RGB 画像は四元数値行列の虚部とみなせる.両側四元数フーリエ変換をカラー画像へ応用するために試みた結果について述べる.

お問い合わせ先

世話人:木下 保(筑波大学 数理物質系)

E-mail:rcms-salon at math.tsukuba.ac.jp ("at" を @ に置き換えてください)