第13回 筑波大学 RCMS サロン 「波・振動現象の数理」
筑波大学数理科学研究コア (RCMS) では、分野横断的な研究交流の一助となることを目指し、互いの研究分野の相互理解を推進する場として「RCMS サロン」を開催しています。
今回は「波・振動現象の数理」というテーマで3名の講師の方々に講演していただきます。
要項
日時:2024年7月11日(木)15:15 ~ 17:20
場所:筑波大学 総合研究棟B 0110教室
プログラム
★ 15:15 -- 15:50 木下 保 氏(数理物質系)
タイトル:「振動現象を表す微分方程式」
概要:まず単振動を具体例とともに紹介し,単振動を表す常微分方程式を導出する.
そして,非斉次項に周期的な関数として外力を与えた場合の常微分方程式を考えて,
共振と呼ばれる激しく振動する物理現象が起こるときの状況を,数学的に説明する.
今回は特に現実的な粘性抵抗がある場合も想定をして,振動の大きさを見極めたい.
そして波動方程式に対する混合問題も考察して,解の一意存在性や振動等を調べる.
★ 16:00 -- 16:35 八木 氏( 生命環境系)
タイトル:複雑な地震現象を高自由度な震源過程モデルを使って解き明かす
概要:地震は地下に蓄積した弾性歪みを断層のずれとして解放する現象である.
断層はフラクタルに近い構造であるのにも関わらず.従来の研究では地震解析時
に単純な断層モデルが仮定されてきた.私たちは,断層モデルを仮定しない新た
な解析手法(PDIT: Potency Density Tensor Inversion)を開発し,その手法を
多くの大地震に適用してきた.本発表では,地震現象の概要を説明した後に,
PDTIの概要とそれによって明らかになってきた新たな地震像について説明する.
★ 16:45 -- 17:20 萬代 武史 氏
タイトル:「連続ウェーブレット変換の逆公式をめぐって」
概要:連続ウェーブレット変換については,今や古典と言ってもいい L^2 空間を
ベースとした逆公式(再構成公式)がある.この公式では,Admissibility condition
と呼ばれる条件が大きな役割を果たしている.この条件を満たさない場合の逆公式
も Lebedeva-Postnikov によって発見されている.これらについてサーベイした
うえで,スケールパラメータ a の役割について考察して,ある種の拡張を考えたい.
お問い合わせ先
世話人:木下 保(筑波大学 数理物質系)
E-mail:rcms-salon at math.tsukuba.ac.jp ("at" を @ に置き換えてください)