第6回 筑波大学 RCMS サロン 「トポロジーとその応用」
筑波大学数理科学研究コア (RCMS) では、分野横断的な研究交流の一助となることを目指し、互いの研究分野の相互理解を推進する場として「RCMS サロン」を開催しています。
今回は「トポロジーとその応用」がテーマです。今世紀に入ってから、「トポロジカル」という形容詞を純粋数学以外の文脈で耳にすることが多くなりました。どんなことが話題になっているのか、3名の講師の先生がたに講演して頂きます。
昨年度企画した会ですが、コロナウィルスの流行により1年間延期いたしました。このたびオンラインで開催いたします。
要項
日時:2021年7月14日(水)15:15 ~ 17:35
場所:オンライン(Zoomを使用)
参加申込:登録ページ (Googleフォームを使用)
共催:九州大学マス・フォア・インダストリ研究所(文部科学省委託事業「数学アドバンストイノベーションプラットフォーム (AIMaP)」受託機関)
アンケート:参加者の皆様、ご参加いただき誠にありがとうございます。AIMaPアンケートにご協力いただければ幸いです。
プログラム
★ 15:15 -- 15:55 丹下 基生(筑波大学 数理物質系数学域)
タイトル:「トポロジー入門」
概要:トポロジーとは位相的に不変な量(位相不変量)について学ぶ学問である。しかし位相的に不変な量を取り出すことやそれが位相不変量であることを示すのはそれほど簡単ではない。この話では、位相不変量の取り出し方やその見つけ方について、よく知られた多面体のオイラー数などから始め、より現代的な方法まで紹介する。またその考え方を用いて結び目の不変量に言及する。
★ 16:05 -- 16:45 初貝 安弘(筑波大学 数理物質系物理学域)
タイトル:「トポロジカル相とバルクエッジ対応」
概要:磁性体は磁化を持つことが特徴ですが、2016年のノーベル物理学賞で広く知られるようになったトポロジカル相では、その特徴はトポロジーの言葉で表現されますが、多くの場合、そのトポロジカル数は直接観測されることはありません。実験で観測されるのは理想的な議論からは抜け落ちていた境界を持つトポロジカル相でのみ現れる境界に住む表面状態(エッジ状態)であって、「端をみて中身を考える」のです。この端と中身の表裏一体の関係をバルクエッジ対応と呼びますが、この意味でのトポロジカル相は量子系に限らず、至るところに広く存在することが、近年明らかとなってきました。講演ではフラクタルとして有名なHofstadterの蝶から気象現象までバルクエッジ対応の適用例をご紹介させていただきます。
★ 16:55 -- 17:35 濱田 直希(KLab株式会社)
タイトル:「モバイルオンラインゲームにおける機械学習」
概要:モバイルオンラインゲームは、ユーザがスマートフォンやタブレット等を使用してオンラインでプレイするタイプのゲームです。その開発や運用には、豊富なデータを活用して様々な機械学習が使われています。本講演では、KLabでの機械学習の活用について、特に数理的に興味深い問題とリンクした事例を紹介します。
(1)敵対的生成ネットワークによるリズムアクションゲーム譜面作成と多目的最適輸送理論
(2)スパースモデリングによるAI 設計とポアンカレ予想
お問い合わせ先
世話人:川村 一宏(筑波大学 数理物質系数学域)
E-mail:rcms-salon at math.tsukuba.ac.jp ("at" を @ に置き換えてください)