第9回 筑波大学 RCMS サロン 「高次元統計解析とデータ科学」

筑波大学数理科学研究コア (RCMS) では、分野横断的な研究交流の一助となることを目指し、互いの研究分野の相互理解を推進する場として「RCMS サロン」を開催しています。

今回は「高次元統計解析とデータ科学」というテーマで3名の講師の方々に講演していただきます。

要項

日時:2022年7月21日(木)15:15 ~ 17: 30

場所:オンライン(Zoomを使用)

参加申込:登録ページ   ご登録は7月19日までにお願いします。なお、ZoomのURLはRCMSサロンの数日前に(登録者に)お送り致します。 

プログラム

★ 15:15 -- 15:50    矢田 和善(筑波大学  数理物質系)

タイトル:「高次元統計解析: 高次元PCAとその応用」

概要: 次元数が数百万にものぼるゲノム等の超高次元なデータを含む高次元データの解析には、高次元データ特有の新しい理論と方法論が必要になる。筑波大学・青嶋研究室では、高次元統計解析の理論と方法論を開拓し、「高次元漸近理論と高次元 PCA」,「高次元ノイズの確率解析とデータ変換法」,「非スパースモデリング」なる3つの柱を打ち立てた。これらは、高次元で膨張する非スパースなノイズを確率解析し、データ変換によってその巨大なノイズを除去することでデータの幾何的特徴を浮き彫りにさせ、統計的推測の精度向上と計算コストの大幅削減を図るものである。本講演では、高次元統計解析の最先端の話題として、巨大なノイズに埋もれたデータの幾何的特徴を余すことなく抽出できる、高次元PCA法を中心に解説する。

★ 16:05 -- 16:40    坂本浩隆(トヨタ自動車株式会社 先端材料技術部)

タイトル:「高次元小標本統計学を活用した材料研究」

概要: 近年データを活用した材料開発はマテリアルズインフォマティクスと呼ばれ、研究が盛んに行われるようになりました。一方で新材料開発の実験・計算データはしばしば実験・計算にかかる費用と時間から標本数が少なくかつ次元数が多いため、通常のデータ解析手法が有効でないこともしばしばありました。本講演では現在共同研究を行っている高次元小標本統計を活用した新材料探索へのアプローチをご紹介いたします。

★ 16:55 -- 17:30    竹内 努(名古屋大学 理学研究科素粒子宇宙物理学専攻)

タイトル:「高次元統計学による宇宙物理学の新展開」

概要: 天文学の観測は暗い天体を対象とするため、十分な信号雑音比のデータを取得することは簡単ではありません。詳細な観測で大きなサンプル数が稼げることは稀で、観測データの次元がサンプル数を大幅に上回る「高次元低サンプルサイズ」という状況がしばしば生じます。伝統的天文学はこのようなデータを解析する方法を持たなかったため、単純にデータの情報量を何桁も落として古典的な解析を行い、天体物理学的情報を抽出していました。しかし、これはあまりにも無駄が多く、データの持つ情報量を最大限に活用する方法が望まれていました。これを実現するのが高次元統計学です。本講演では、典型的な高次元低サンプルサイズデータである銀河の分光マップを例に、高次元統計学による天体物理情報の抽出とその将来展望を紹介します。

お問い合わせ先

世話人:矢田 和善(筑波大学 数理物質系)

E-mail:rcms-salon at math.tsukuba.ac.jp ("at" を @ に置き換えてください)